はじめに
はじめまして。『ミツカリ』でエンジニアリングマネージャーをしている『たなしゅん』です。現在、弊社には副業の業務委託含めて12名のエンジニアが在籍しており、私は自分以外に5名をメンバとして持つチームを運営しています。 私はミツカリに2024年8月からジョインしております。入社からまだ数ヶ月ですが、担当チームのタスク進捗を大幅に改善しましたので、私のこれまでの経験をふまえたそのメソッドを共有したいと思います。
エンジニアリングマネジメントの4領域
エンジニアリングマネジメントは「テクノロジー」「プロダクト」「プロジェクト」「ピープル」の4つの領域からなり立っています。これらはそれぞれの視点から組織やチームを高いパフォーマンスに展開させるための要素です。
- テクノロジー:技術的な選択をし、システムを最適化すること
- プロダクト:企画力や商品要件の決定、意思決定を支援すること
- プロジェクト:タスクを統制し、効率的に活動させること
- ピープル:人員の成長を支援し、チームがより良い関係を構築できるようにすること
私は「プロジェクト」と「ピープル」を得意領域としており、今回は「プロジェクト」の観点で成果を出すに至りました。
4領域に関して詳しくはこちら hatenanews.com
プロジェクトマネジメントの課題
私は入社後に開発に加わって、以下が課題だと感じました。
- タスクが予定通りに終わらない:個々のタスクが遅延することが多く、積み重ねでPJ全体が大きく遅延することがある。
- 進捗を把握しにくい:フルリモートの環境もあってタスクの進捗が見えづらかった。
これらの課題を解決できればメンバーの成長を待たずに即アウトプットの改善が見込めると考えました。
改善メソッド
アサインする総量の改善
私は、個々のメンバーにアサインするタスクの量を「80〜90%」に設定するようにしています。 アサイン時点で100%のタスクで埋めつくしてしまうと、余裕がなくなってしまうため、コミュニケーションが消極的になり、すると相談が出来ない環境になり、結果的にタスクの進捗が悪くなると考えられます。 80%程度のアサインとすることで、作業時間に余裕が生まれ、作業自体がスムーズに進むようになります。もし時間が余るのであれば、浮いた時間を「細かい改善タスク」に割り当てる機会として活用できるため、後回しにしがちなタスクも消化タイミングが生まれ、一石二鳥に感じています。
ストーリーポイントの導入
上記の基準を計測可能にするため、ストーリーポイントの概念を導入しました。どれくらいの量のタスクがアサインされているのかはアサインされたタスクがより正確に見積もられている必要があります。 見積もりを外してしまうと80%でアサインしたつもりが120%のアサインになってしまっている、といったことが起こり得ます。 これらを数字という根拠をもってアサインするためにストーリーポイントを活用しています。 具体的には、バックエンドとフロントエンドそれぞれに基準となるタスクを定義し、そのタスクと見積もり対象のタスクを相対的に比較したときにどれくらいの作業ボリュームになりそうか、という観点で数字をつけます。 私は見積もりスキルというものがエンジニアにとって特に重要な要素だと考えており、これらを養う意味合いも持っています。
ストーリーポイントについて詳しくはこちら lychee-redmine.jp
現在私のチームでは、大きなプロジェクトの仕様書が固まった段階で、実装タスクを起こしていき、実装タスクが洗い出せたタイミングでチームで集まって実装タスクそれぞれのストーリーポイントをプランニングポーカー形式で見積もるようにしています。 プランニングポーカーは時間がかかりますが、メンバーの見積もり精度が低い場合やチームが発足したばかりの頃は、認識に大きなズレが出やすいので、多少時間をかけてもポーカーをする価値があると考えています。 将来的にメンバーの見積もり精度が向上し、ポーカーで差がほとんど出ない状態になったらポーカーをせずにタスクの起票時点で個人判断でストーリーポイントをつけられるのが理想です。ポーカーは見積もるというゴールのひとつの手段に過ぎないので、ポーカーをすること自体に価値があるわけではないからです。
ポーカーのツールには、登録やログインが不要で部屋が作れるという手軽さから以下を利用させていただいております。 tools.bigwave.biz
大きく上記の2軸でチームメンバーのプロジェクトアサインのマネジメントを行うことで、短期間で開発サイクルを改善することが出来ました。
エンジニア募集中!
余談ですが、弊社では半期に一度、社員間での投票によるMVP制度のようなものがありまして、2024年下期の「感謝したい人」部門で表彰していただきました。 入社4ヶ月でもフラットに評価をいただける点や、開発部に留まらず、社内全体で改善を実感いただけているのはとても嬉しく、やりがいを感じています。
そんなミツカリは新たな仲間を募集しています。テクノロジーからピープルまで、さまざまな分野で成長したい方のご応募をお待ちしております! herp.careers