こんにちは、ミツカリCTOの塚本こと、つかびー(@tsukaby0) です。
私は現在ミツカリでCTOを務めています。CTOは2024年4月からで、ミツカリ自体は2018年から在籍しています。だいぶ古株になってきました。
2025年よりミツカリでは技術ブログを開設することにしました。この記事では開設の背景や技術ブログサービスの選定について記載します。
技術ブログ開設の背景
ミツカリでは今まで採用はほとんどリファラルに頼ってきました。私自身や2018年頃の同僚は前CTOのリファラルですし、2019年以降に入ってきたエンジニア正社員や業務委託、副業はほとんど私のリファラルです。
リファラルは採用決定フィーがかからないことや能力の裏付けがある程度取れているなどメリットは大きいですが、基本的に長期施策であったり、母数は少ないなどのデメリットもあります。
2023年からはFindy転職やビズリーチ等のダイレクトリクルーティングのサービスを活用したり、各社エージェントさんにご紹介をお願いしている状態ですが、採用は苦戦しています。苦戦している中で弊社の採用チームで話し合った結果、採用広報に最も課題があるという結論に至りました。そこで広報施策として2025年はまずは技術ブログを開設することになりました。
技術ブログのルール
ミツカリのエンジニアチームで2025年の目標を以下の通り定めました。
- 年間60記事投稿
- 年間 PV100,000
- 任意施策なのでやらなくてもペナルティは無し。やった場合(別途定めたノルマをクリアした場合)は査定で加点
技術ブログの執筆を強制すると人によっては大きな心理的負担になると思われます。また、全社的に広報が課題ではあるのでできるだけ協力してほしいと思いつつも、強制してしまうのはミツカリらしくないということから任意にしています。
インセンティブ
インセンティブは付く企業もあると思いますが、付かない企業の方が多い印象です。弊社の経営層としても採用広報は力を入れていきたい部分ではあるので、2025年はインセンティブを出すことにしました。来年以降も続くかは未定です。
インセンティブは半期(6ヶ月)で最大合計30万円としました。ノルマを達成した正社員エンジニアのうち、貢献度(記事数とPV)が高い順に順位をつけて、順位に従って多く支給されます。手前味噌ですが、弊社のような小さい企業としては合計30万円はなかなか大盤振る舞いかなと思います。
※完全な山分けではなく、ある程度傾斜がついている
※詳細な分配ロジックはメンバーに公開しています
インセンティブの支給ルールは私が設計しましたが、難しいなと感じました。例えば1記事n円、というような形にしてしまうと薄い内容の記事を量産しようという心理が働きます。インセンティブは山分けとしてしまうと、努力や貢献度を加味できず不公平になります。記事数だけを評価軸にすると質を考えなくなりますし、PV数だけを軸にすると記事数が稼げませんし、シニアレベルのエンジニアのほうがPV数を稼ぎやすく、記事数で頑張っているジュニアレベルに不公平というようなことにもなりかねません。このあたりのうまい設計や案をお持ちの方はよければ私まで教えて下さい!
技術ブログサービスの選定
ここまでの情報だけだと、ただ単に自社の施策を公開しただけなので、情報として少し弱いです。そこで、私が今回開設するにあたって調査した技術ブログのシステム、サービスについてもまとめたいと思います。
システム | マネージド区分 | 独自ドメイン | 備考 |
---|---|---|---|
Wordpress, Astro, Hugo, Jekyll, DocusaurusなどのCMS | アンマネージド | 可能 | カスタマイズ性は高いが構築と保守コストがかかる |
wordpress.com | マネージド | 可能 | ある程度カスタマイズ性はある |
はてなブログ | マネージド | 可能 | |
Zenn | マネージド | 不可 | 最近人気 |
Qiita | マネージド | 不可 | |
Hashnode | マネージド | 可能 | https://hashnode.com/pricing ちょっと高い。また英語圏のコミュニティ |
Notion | マネージド | 一部可能 | カスタマイズ可能だがBlog専用ではない |
note | マネージド | 可能 | https://note.com/ysdyt/n/n44c3b577cea4 Markdown使えないなど |
Medium | マネージド | 可能 |
結論としては、はてなブログが最も良いと思いました。
※企業が利用する場合は法人プランの契約が必要なためご注意ください。
良いと思った理由としては以下の通りです。
- マネージドで構築・保守の手間がかからない
- 技術ブログであれば 8,434円/年 でコストが低い
- 老舗
- Markdown可能
- 独自ドメイン可能
- サブディレクトリ可能 (※このオプションはそれなりに高い)
実績としても多く、企業技術ブログとしてはおそらく最も利用されています。網羅的に調査したわけではありませんが、WappalyzerというChrome extensionを利用すると対象のサイトがどのようなテクノロジーで構成されているかが分かるのですが、かなりの確率ではてなブログが使われていることが伺えます。
以下のはてなブログ公式サイトからも様々な企業が利用していることが分かります。
近頃の個人での技術ブログはZennが人気という印象がありますが、以下のIssueのように独自ドメイン対応の予定は無いようです。
独自ドメインでなくとも企業技術ブログは運営できますが、仮にブログシステムを引っ越そうとなったときに独自ドメインがないと記事にHTTP 301を設定できるかはブログシステム次第です。また、記事を積み重ねてもその自社保有のドメインの評価向上にはなりません。もちろん独自ドメインがないコミュニティ形式のブログサービスにもメリットはあるので、そちらを優先する考えもあるとは思います。
自由度を求めるならWordpressや何らかの静的サイトジェネレータを使うほうが良いですが、今回の技術ブログにはそこまでの自由度は必要ないと思い見送っています。私はWordpressやAstroも好んで使いますが、やはりセキュリティや可用性、その他運用などを意識しつつ、日々保守するのはそれなりにコストがかかります。特にWordpressは最も利用されているCMSであるため、運用するとすぐに攻撃と思われるアクセスが飛んでくることを経験できます。ブログが事業として重要な立ち位置にあり、保守する覚悟があるのであればそちらの路線もよいかと思います。
最後に
本題から逸れますが、私はCTO協会に個人会員として加入しています。
このCTO協会のバリューに Give First / あなたの当たり前は誰かの学び
というものがあり、とても気に入っています。このミツカリ社の技術ブログでもこのような考え方を礎として、臆せず積極的に発信していきたいと思います。
今回はあまりテクニカルな内容ではなくなってしまいましたが、次回以降はよりテクニカルな内容も投稿していき、技術ブログの名に恥じないコンテンツを揃えていきたいと思います。
以上、@tsukaby0 がお届けしました。よろしければフォローしてくれると嬉しいです。
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